Wednesday, December 26, 2007

ドラピエ「愛好家のための植物画集」


ドラピエが著者ですが、ここでは挿絵の原画を描いたパンクラース・ベッサと彼の作品を紹介してみたいと思います。彼は一般に、ルドゥーテの弟子して知られていますが、その他にもCornelis van Spaendonckにも一時、師事していたことがあるそうです。ルドゥーテとのコラボレーションも多く、両者の作品は「北米森林樹木誌」や「Description des Plantes cultivees à Malmaison à Navarre」などで見ることができます。ルドゥーテはマリーアントワネットやジョセフィン王妃のお抱え絵師として有名ですが、ベッサ自身もベリー公妃や彼女の舅でブルボン朝最後の王であったシャルル十世の後援を受けました。

版画の手法はスティップル・エングレーヴィングですが、基本的に全手彩色。中にはかなりいい加減な塗りの物もあります(笑)。「愛好家のための植物画集」では、特に葉や茎の着色が簡易化されていて、独特の雰囲気を醸し出しています。

版画を集めだしたころは、ベッサのプリントはやや高嶺の花でしたが、それでももう25枚くらい持っているんじゃないでしょうか。慣れというのは恐いものです。正値だとベッサのプリントは$125~150くらいのやや高級品なのですが、eBayでは物に依りますが、それの1/10で手に入るものもあります。ここで紹介するのは、フランスの出品者から落札したもの。よくは覚えていないのですが、$11~12ぐらいだったと思います。敢えて名は挙げませんが、日本の某サイトでも同じ板を売っているところがあって、なんでも"各¥31、500"だそうです。着色はこちらのほうが遥かに良いですが、¥31、500はちょっとねえ。
画像はEricさんから戴きました。

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